カテゴリ:仕事で( 6 )

鰹節男子

月に34日仕事させてもらっている、出町商店街のふじや鰹節店のFB(ブログ)を見て、絶句した。お店でアルバイトしている大学生の花田君が交通事故で亡くなったというのだ。

えっ? あの、花田君が? まさか。うそやろ…。

翌日、お店に行って店主から話を聞いた。

24日の午前11時ごろ、所属するテニスサークルの練習からの帰り道、川端通のカナートの前で、ダンプに魅かれて即死だったそうだ。



花田君は京都大学の1年生。昨年の秋、お店に買い物に来たところを、「うちでバイトせぇへん?」とパートさんにスカウトされ、バイトを始めた。サークルなどで忙しいので、入れるのは月に13回程度だったが、明るく人当たりも良く、店の人にもお客さんにも好かれていた。



2月に初めて仕事で一緒になったとき、まず、彼に聞いた。

「買い物に来てスカウトされたって聞いたけど、何を買いに来たん?」。

店で扱っているのは、昆布と鰹節を中心に、わかめ、砂糖、塩、ゴマ、のり、豆類などのいわゆる乾物。お客さんのほとんどが、ちゃんと煮炊きできる年配の主婦か料理人。若い男の子が買いそうなものは…。

花田君は「だし用の鰹節を買いに来ました」と。

「じゃぁ、ちゃんとだしをとって、料理してるの?」

味噌汁もだしをとって作っていて、料理が好きだと。聞けば、小さいころから「うちは、茶色いおかずばかりで」。つまり、煮物が多かったようで、今でもそういう味が好きらしい。

「京大に行きたくて、京都に来ました」と言っていた東京出身の花田君。

テニスサークルに入っているけれど、茶道部にも入っていて、着物も着るらしい。

なんと、女子力の高い! と感心したり、私の息子もこんな風になってほしいなと思ったり。


彼はその後、一度もバイトに来ず、店主は「2月分のバイト代も取りに来よらへん。ライン送っても返信ないし、旅行でも行ってるんかな」と気にはしていた。

まさか、こんなことになっていたとは…。

2日前にご両親がお店に来られ、店主も初めて彼の死を知ったらしい。

川端通の車道を自転車で走っていて、歩道と車の列の間の狭いところをすり抜けるように進んでいたら、何かの拍子に車道側に倒れてしまい、そこにダンプが来てしまったそうだ。

それにしても、何で彼なのか。まだ、19歳。ほんとに、やり切れない。


「なんか、ふらっと店に来そうな気がしてな。旅行に行ってました~とか言うて」

店主の言葉に、私もそんな気がする。

ほんとに、来てほしいな。もう一回、一緒に仕事したいな。


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by dodo-55 | 2017-04-02 22:32 | 仕事で

年の瀬

年内最後になるであろう仕事で、雑貨店に取材に行った。
商品を撮影していると、店の前を黄色いランシュックを背負った小学生が3人、はしゃぎながら帰っていく。「明日から冬休みやから、テンション高いんでしょうね…」。カメラマンさんもお店の人も、思わず外を見つめる。その横をジャージ姿の高校生らしき一団が、タッタッタッと走り抜ける。「あぁ、明後日は、高校駅伝でしたね」「ここもコースになってるんですけど、お向かいのデザイン会社さんは、駅伝のとき沿道の人たちにおぜんざいを振舞われるんですよ」「へぇ~。そうなんですか」

店内や外観を撮影するとき、「すみません。クリスマスっぽい飾りは、いったんはずしていただけますか」とお願いしなければならない。そう言ってみて初めて、もうそんな季節なんだ…とあらためて気づく。
10月以降、何だかんだとバタバタ過ぎていき、気がつけば、郵便ポストの投函口にには「年賀状」の文字が…。今年のデザインは浮かんでいたが、印刷したのはつい2~3日前だし、宛名書きまで手が回らない。

取材の帰り道、「昨日は終い弘法で、すごい人出でした」とカメラマンさん。彼女は東寺の近くに住んでいるのだ。「そういえば、明後日の終い天神は日曜日で、しかも高校駅伝と重なってますよね。道は大丈夫なんやろか…」「その日は取材は入ってないし、よかった。車が動きませんもん」

冬休みやクリスマスやお正月やお年玉や、楽しいことばかりが続く小学生。
あれもこれも、年内に仕上げとかなあかん…と気ぜわしい私。
今年も、あと1週間。
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by dodo-55 | 2011-12-22 21:02 | 仕事で

『地産地消の仕事人に学ぶ・現地検討会』(奈良県・明日香村)2日目

2日目は朝からバスに乗り込み、當麻の家あすか夢販売所ゆめ明日香明日香の夢市などの直売所を見学。
各直売所には、地産のいちご・あすかルビーや古代米、野菜に、味噌、漬物、菓子など地元ならではの加工品が並ぶ。商品を見ただけではわからない、直売所ごとの工夫や苦労話を担当者から聞いた。

「あすか夢販売所」の販売額1位はイチゴ、2位は仏花、3位は切花だそうだ。1位はわかるが、2位と3位が意外。「明日香の夢市」でも仏花のビシャコ(正式名はヒサカキというらしい)が販売されていたが、京都では仏花といえばビシャコに小菊など花を組んだもので、ビシャコを単独で販売してるのは見かけない。
京都では仏花は昔から白川女などが大八車に積んで振り売りしてきたが、今では生花店やスーパーでも売っている。
私は生花店に勤務していたことがあり、仏花を組んだこともあるのでビシャコを知っていたが、普通は榊(サカキ)は知っていてもビシャコの名前は知らない人がほとんどだ。
京都でも仏壇のある家が減り、仏花の販売数も減っているのだが、明日香でよく売れているのは、これいかに? 奈良だけに仏教の影響が強いのか?

最後に、明日香の夢市で飛鳥鍋御膳をいただき、解散となった。
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飛鳥鍋は、牛乳と鶏がらスープで冬野菜と鶏肉を煮込んだ鍋。
牛乳臭さもなく、白いスープに生姜を入れると、ピリリと味がひきしまり、体も温まって寒い季節にはちょうど良い。家でもぜひ試したい味だ。
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おみやげには、直売所であれもこれも欲しくなるのを我慢して、地元ならではのものを。
いちごはあすかルビー、土竜芋という名のヤマトイモ、古代米の赤米と三輪そうめんのふしめん、小麦餅を購入。

小麦餅は、もち米に小麦を入れてついた餅にきな粉をまぶしたもの。農家の人たちが田植えが終わったあとに食べるおやつだそう。小麦のプチプチした食感と香ばしさのある、素朴で美味しいお餅だ。

「ふしめん」は、そうめんの製造過程で麺を干したときにできる、一番力のかかる上下の部分で、太くて形もいろいろ。たぶん通常の流通では出回らないものだろう。京都の「とゆ湯葉」と同じようなもの。お吸い物の具にしたり、油で揚げてビールのつまみなどにもいけそう。

赤米は、来月の節分に、紅白のご飯で巻寿司を作るつもり。これも直売所に貼ってあったポスターからアイデアをいただいた。
地元ならではの食材で、普段の食卓にちょっと変化をつけるのが楽しい。その食材の製造過程や地域の歴史や文化なども知れて、食卓での話題も広がるから。

食・農・環境などに興味があり、仕事でも関わっている私にとっては、とても有意義で楽しい2日間だった。2月にモクモクファームで開催される食育フォーラムも楽しみだ。
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by dodo-55 | 2011-01-24 21:56 | 仕事で

『地産地消の仕事人と学ぶ・現地検討会』に参加(明日香村)1日目

1月20日・21日と『地産地消の仕事人と学ぶ・現地検討会』に参加するため、奈良県明日香村へ行ってきた。
これは、農林省が進めている「地産地消の仕事人」のノウハウを学び、地域に広げて連携するという新しいソフト開発事業で、(財)都市農山漁村交流活性化機構が主催している。
今回は、食をテーマにした地域活性化を実践している、仕事人として実績をもった全国の尖鋭メンバーが集い、活動紹介、意見交換、直売所で実地研修などを行った。
わが師・食ジャーナリストの金丸弘美氏が運営委員の一人で、ライターズネットワークの案内でこの催しを知ったのだった。
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会場は、奈良県明日香村の山麓に建つ研修宿泊施設・祝戸荘
棚田や段々畑が広がるのどかな風景の中にある。
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宿泊所前から裏山に続く道を上ると、展望台に出る。そこからは、大和三山を背景にして広がる飛鳥古京が一望できる。

まずは、明日香村地域振興公社理事の福角登さんのお話から。
明日香村は「明日香法」で建造物が規制されているとのこと。高い建物や近代的な建物はなく、古墳群や棚田が広がる風景は法によって守られているそうだ。
2日目の見学のときにバスの中でも説明があったが、明日香法ができて以降の建物はすべて屋根に瓦がのっていて、小学校もコンビニも郵便局もすべてがそうだった。

金丸さんの話では、イギリスやドイツはもっと徹底されているそうで、歴史ある古い門などもそのまま残っており、住民は勝手に手を加えてはいけないそうだ。
ふり返って、京都はどうだろう。高さ制限や景観保存の無視もいいところ。町並みは変わっていく一方で、外側だけ古く、中は超モダンに改装された町家もどきが増殖中だ。

仕事人の活動紹介では、奈良県五條市「手作りハムばあく」の泉澤ちゑ子さん、愛媛県今治市・越智今治農協「さいさいきて屋」店長の西坂文秀さん、島根県雲南市・JA雲南産直事業課の須山一さんの、ホットな話に引き込まれた。

泉澤さんの、「豚にも旬がある」「飼料のうち2~3%の小麦のふさが変わっただけで豚肉の味が変わり、消費者がそれに気づいた」という話。

「高齢者や女性が胡瓜1本でも持ち込んでくれるような場所を作りたい」という思いから始まり、すべての商品を地ものでそろえた、農家レストラン、カフェ、市民農園、学童農園などを併設した国内最大級の直売所を作るまでの経緯を語った西坂さんの話。

「高齢化した小さな農業地帯が生き残るためにやってきた」と、ハード(建物やグリーンツーリズム)ではなく人づくりを優先させる須山さんの「地産都商」のやり方。

それぞれに共通する、お金はないが、あるもので工夫する方法。作るもの、売るものは野菜や肉であっても、それを作るのも買うのも「人」であること。やはり、人が動かなければ、ものもお金も動かないのだなぁと改めて感じた。

西坂さんは「農業の担い手は、55歳から死ぬまで営農してくれる人。農業には定年がないから」。
須山さんは「農業には担い手がいないのではない。農業が面白くて、儲かって、生きがいがあれば、担い手は自然に増える」と言われた。なるほど。
農業に関しては、高齢化、農作放棄地、TPPなど暗い話題が多いなかで、3人のお話からは元気をもらった。このパワーこそが、人を、地域を元気にしているのだと実感。

最後に、金丸さんのまとめ。地域を元気にするのは、
・地域のたくたんの人が参画すること
・商品は地域から組み立てる
・教育・技術に力を入れている
・楽しんでいる
・安全・安心を全面に出す
・オリジナルである。ものまねではない
これって「地域」だけでではなく、いろんなことにあてはまる気がする。自分の仕事にも。
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夜は、古代食「万葉飛鳥葉盛御膳」を囲んでの食事と交流会。
藤原京遺跡から出土した木簡を基に、古代飛鳥の人々が食べていたものを現代風に想像し、遊び心を加えて再現したものだそう。
庶民はもっと質素な食事だったと思うが、鴨肉、アマゴ、ホタテ、ウニなど、地方から税として飛鳥に運ばれてきたであろう山海の珍味は、飛鳥の貴族たちのみ口にできる贅沢な食材だったらしい。

須恵器を模した奈良・赤膚焼の酒器に入ったにごり酒に加えて、仕事人の一人である石川県能登町の農家民宿「春蘭の宿」の女将・多田寛子さんから日本酒、兵庫県加西市のJA兵庫みらいの皆様からワインの差し入れがあり、美味しい酒と古の味を肴に、楽しい交流ができた。
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by dodo-55 | 2011-01-23 21:41 | 仕事で

うさぎつながり

来年の干支は卯(うさぎ)。うさぎにまつわる彫刻や絵画などを取材するため、京都市内の4つの社寺をまわってきた。4つの場所は結構離れていたが、いつものように自転車で移動した。
1つめは、家から0.5㎞ほどのところにあるS神社、続いて南東へ3.5㎞のO神社。
そのあと、撮影用にあずかった2つの神社のお守りやおみくじを届けに、南へ4㎞の編集プロダクションへ移動。3つめの取材先であるK神社ははそこから北へ5.5㎞。近くのカフェでお昼を食べてから、取材。4つめは一番遠くて西へ7㎞。約束時間ぎりぎりにD寺へ到着した。

結局、家までの総移動距離は30㎞を超えていた。今回は取材時間より移動(自転車をこいでいる)時間の方が長かったが、こういう体力勝負の取材は得意。雨が降らなくて、よかった。
取材をしていて気づいたのだが、来年は年女だった!
12年前の卯年は―――
結婚して、仕事も忙しく、トライアスロンも現役バリバリでやっていたころ。
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その年の年賀状には、「脱兎のごとく12年。今年は少しスピードをゆるめてやっていきます」と書いた記憶がある。
その卯年の終わりに子どもを授かり(産んだのは寅年)、あっと間に一回りしてしまった。
スピードをゆるめたつもりでも、相変わらずバタバタと走りまわっているような。ウサギのように軽やかに、ピョンピョンとはなかなか飛べないようで。
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by dodo-55 | 2010-11-29 21:37 | 仕事で

あぁ、忙しい

今日の取材は午後から3軒。
自転車でまわる予定だったのに、昼前から雨が降り出した。
あわててバスの時刻を調べて、昼ご飯を食べようとしたが、帰宅が遅くなるので夕食の準備もしておかないといけない。
炊飯器にお米をセットして、だしをとって玉ネギとジャガイモのみそ汁を作って、キャベツを刻んで軽くゆでて(ザワークラウト用)…。そんなこんなしていたら、バスの時刻まであと15分!
ほとんど立ち食い状態で残り物をかき込み、家を出た。

今、まわっている雑貨屋さんの取材は楽しい。
店の人気アイテムのほかに、「取材ライターお気に入り」の項目があるので、2~3点選ばせてもらう。
ゆっくりは見ていられないけれど、見た瞬間に「コレ!」と思える心惹かれるモノがある。
そして困ったことに、撮影だけでは我慢できず、結局買ってしまうことになる。

今日の取材先のお店の方から「そのバッグいいですね~」と言われたのだが、実はこのバッグも先週の取材先で買ったもの。
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「雑貨」なんて、なんでもありみたいに、ひとくくりにしてしまっているけれど、自分のための一つが見つかると、何ともいとおしく、離したくなくなるのだ。
今日もまた一つ、そんなモノに出会ってしまって、私のものになりました。

3軒目の取材を終え家に帰ると、お腹をすかせた息子がすでにみそ汁を3杯飲んでいた。
あわてて晩ご飯の準備。
まずは、ゆがいておいたエダマメと、かまぼこを切って出す。昨日作った卵豆腐も。
それから、昨日煮ておいたサトイモに片栗粉をまぶして油で揚げる。
揚げたてに昆布茶(粉末)をつけて食べると旨い! これは、息子の大好物。
朝にゆがいておいたキャベツに味をつけ、簡単ザワークラウト。
最後にオムライス(中身はチキンライス)。卵の上にケチャップで野球ボールの模様を描いてでき上がり。

その間わずか30分。超特急の晩ご飯準備。はぁ~、疲れた。
やっと、ゆっくりビールが飲める。ふぅ~。
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by dodo-55 | 2010-09-14 01:07 | 仕事で