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全国食育交流フォーラム( モクモクファーム)に参加

7年前、ある本に強い衝撃を受けた。
それは「食卓の向こう側」というブックレット。食卓から現代社会を見つめ直そうと、2003年から西日本新聞の1面に長期連載された内容をまとめたものだ。
 その本に出合ったとき,ちょうど私は「学生のための一人前!レシピ」という本の編集を担当していて、大学生協の栄養士さんの協力のもと、学生が自炊するのに役立つメニューを考えていた。
学生食堂に見学に行ったり、学生のアンケート結果をまとめたりするうち、当時の学生の食生活や住環境、健康のことなどを知るなかで、自分の学生時代とは明らかに違うことに驚き、「こんな状態でいいのか」と心配することも多かった。
 「食卓の向こう側」は、今どきの大学生の食生活や健康についての衝撃的な話から、フェイク(もどき)食品、輸入農産物、添加物まみれの加工食品などの現状、生活習慣病、摂食障害といった食をめぐる不安など、食に関するさまざまな問題を多角的な視点から伝えていた。

 今回参加した「全国食育交流フォーラム」は、三重県のモクモクファームを会場に2日間にわたってさまざまなプログラムが用意されていたが、その中で「食卓の向こう側」の新聞連載を企画編集された西日本新聞社の佐藤弘氏の講演を聴くことができた。
 佐藤氏のスライドを使ってのお話は、ときに涙し、ときに笑い、90分があっと間に過ぎてしまうほど、楽しく中身の濃いものだった。

・食育を「食べる」ということだけから考えてはいけない。
・「食べる→噛む→排出する→ゴミ・排出物→処理する→土に返す→作る・獲る→買物をする・調理する→食べる」という概念の中で多角的に考える。
・体験のない食育は意味がない→「子どもに魚を与えるな。釣り針を与えよ」
・「田植えを教える」ではなく「田植えで教える」。何を教えるかが大事
など、キーになる言葉をたくさん教えていただいた。

 7年前に本に出合って以来、ずっと気になっていたいろんなことが、話を聞いたことでドドッ~と一度に動き出したような感じで、講演が終わってしばらくは興奮気味だった。
「『お弁当の日』を、子どもの小学校でもぜひやりたい!」と思わず口走ってしまったが、「熱い人は、うっとうしがられますよ」と、佐藤氏は講演中にも言われた言葉を再度口にされた。
 佐藤氏の講演をはじめ、今回の食育交流フォーラムでは、多くの人との出会いから強い刺激を受けた。いろんなことを吸収しすぎて、消化不良を起こしそうなほど。家に帰ってからも、早く誰かに伝えたくて、何か行動を起こしたくて、落ち着かない。
 まずは、頭を整理しなければ。自分にできる方法は? 何をどう伝えていく? 無理なく継続できる形で「食育」に関わっていきたいと、今、いろいろ考えている。

 ほかに私が参加したのは、「学んで食する 豚半頭まるごと食べる会」。
モクモクファーム・ハム工房の工房長・松尾尚之氏の見事な庖丁さばきを目の前で見ながら、豚肉の部位や料理の話を聞き、最後に肉を味わうというもの。
 実は私は、豚そのものを解体するところから見る、解剖的なイメージを持っていたので、頭のない半身のデカイお肉が横たわっているのを見たとき、「なんだ。ここからか…」と多少がっかりしたのであった。
「まるごと食べる」というので、顔や舌、内臓など、普段食べられない部分の味も…と期待していたのだが、そうではなかった。
(たぶん、そうだったら、参加者は半減していたかも)

豚は、イメージしていたよりも大きかった。
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真ん中あたりに残る臓器は腎臓。脂に埋もれた状態になっているので、残ったまま肉屋さんから届くそう。あとで、取り出した腎臓の匂いもかいでみた。腎臓だけに、尿の匂いがするとのことであったが、そんなにきつくはなかった。これももちろん焼いて食べた。
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やはり豚はかなり脂が多い。「私のお腹もあんな風?」と心配になる。溶けにくい背脂とすぐに溶ける腹脂も触らせてもらい、その差を体感した。
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肋骨の1本1本の間に、丁寧に庖丁で切り込みを入れ、
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T字の道具の先についた輪っか状の糸を骨の先にひっかけて、引っ張ると肋骨が取れる。
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肉は、トントロ、ヒレ、ロース、モモ、バラなど、おなじみの身となって次々に切り分けられていく。
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内側に見えるのがスペアリブ。
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豚半頭で、これだけしか取れないトントロ。
脂はコラーゲンがあるので、化粧品などにも使われるそう。軟骨の部分は沖縄のソーキソバに入れるなど、余すところなく利用されるようだ。
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最後は、たっぷりの生野菜、焼き野菜と、ツヤツヤご飯とともに、いただきます!
「まるごと食べる」教室は子どもたちにも好評だそうで、見ているだけでなく、「やってみたい!」という子も多いそうだ。魚も肉も、命をいただいていること、どこの部分を食べているのかを知ることができ、いい勉強になると思う。
子どもだけでなく、私自身もまだまだ知らないことが多い。
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by dodo-55 | 2011-02-26 11:40 | 食育

スイス村(京丹後市弥栄町)で遊ぶ

この5年、毎年京丹後市へ出かけている。
はじめて行ったのは、丹後森林公園スイス村にある「風のがっこう」の冬のツアー。『かまくらを作って遊ぼう』という企画だった。
宿泊施設「風のがっこう」前に巨大なかまくらを作り、その中にビニールプールを埋めて湯を入れ、子どもたちはかまくら風呂を楽しんだ。
雪の斜面に溝を掘り、タイヤチューブで滑り降りる雪の巨大滑り台にも大はしゃぎ。町ではできない雪遊びを思いっきり楽しんだ息子は「帰りたくない」と泣いたほどだった。

以来、「風のがっこう」の自然体験ツアーには何度も参加した。
『川の源泉探検』ツアーでは、道中採った天然のワサビや山菜の天ぷらを味わったり、田んぼでドジョウすくいを体験。
『わらしべ長者大作戦』では、山で獲ったミミズをエサに、川でモクズガニを獲り、モクズガニをエサに海でタコを獲り、刺身、酢ダコ、タコ飯、タコ焼きのタコフルコースを楽しんだ。
『カッパの川流れ大作戦』では、手作りのチューブいかだで川上から海まで下り、山・川・海がつながっていて、どこかが変化すると自然も破壊されることを体感した。

ツアーの参加者はほとんどがリピーター。子どもはもちろん、大人もハマる楽しさだったが、ツアーの企画・運営を中心になってやっておられた方が異動や退職され、結局運営自体も業務委託の形になり、自然消滅してしまった。
5歳のときにこのツアーではじめてスキーを体験して以来、冬になるとどうしてもスキーだけには行きたいという息子を連れて、毎年スイス村スキー場に通っている。

ここ数年、園内にある「風のがっこう」か「山の家」に泊まっていたのだが、あいにく今年は満室や休館と重なり、泊まるところがない。
そこで、「風のがっこう」のツアーでお世話になっていた村長こと岡本さんにお願いし、宿を紹介していただいた。

今回お世話になったのは、LOHASくるみ谷という一日一組限定の古民家の宿。
くるみ谷を気に入った宿主の飯島さんが3年前に移り住み、明治37年築のかやぶき民家を改築して開いた素敵な宿だ。
「サンパチ(昭和38年)以来の大雪」といわれ、建物はすっぽりと雪に覆われていた。

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黒光りする太い柱と梁に支えられた広いリビングの暖炉に火が入り、薪のいい匂いが漂う。部屋の一部は昔は「お蚕さんの部屋」だったそう。このあたりは、かつて炭焼きと養蚕の農家が多かったらしい。そういえば、丹後はちりめんの里だ。
手前のロッキングチェアは、大正時代のもの。この部屋はシアターになっており、時代を感じるこの椅子に揺られながら、目の前の大スクリーンで映画を楽しむことができる。

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障子戸のガラスには山の模様。引っ掻いて絵を描いたようなガラスは、もともとこの家にあったものだそう。模様入りのガラスも今では貴重だ。

お楽しみの夕食は、新鮮な海の幸、山の幸がそろう。しかも初体験のものばかり。
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奥は丹後半島近海で冬に獲れる深海魚・グラの一夜干し。ウナギのような独特の食感と風味のある美味しい魚だった。
手前右はアカモクと呼ばれる海草の酢の物。左は飯島さんが前の畑で育てた大根の煮物。
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そしてメインは、ハタハタ鍋。これでもか!というほど、たっぷりのハタハタが入った鍋のだしの旨いこと! あまりの美味しさに、息子が最後にお汁にご飯を入れて食べ、「ぞうすいで食べたい!」。
このひとことで、翌日の朝食メニューをぞうすいに変更してくださった。
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2日目の夜は、ミズダコの刺身に鹿肉カレーソースにつけて食べる地鶏の塩焼き。
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手作りコンニャクの鶏そぼろがけ、サツマイモとリンゴのサラダなど。そして、メインはマトウダイの鍋。1日目のハタハタとまたちがう、上品なだしが旨い!

実は予約の際、連泊のため魚の鍋が続くので、「1日は鶏か何かにしましょうか?」と、飯島さんが気を使ってくださったのだが、「私たち親子は魚が大好きで、せっかくだから地の魚を食べたい」と伝えていたのだった。
京都市内ではまず口にできない、新鮮で美味しい魚や野菜。飯島さん手作りのどぶろくの試飲までさせていただき、大満足の夜だった。

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3日めの朝、ボリューム満点の朝食をいただいたあと、2階(正確には3階)のタカとよばれる屋根裏を見学させてもらった。
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はしごを上ると、かやを葺いた屋根が見え、太い柱が力強い。ワラ草履がかけてあったり、昔使われていた大きな釜やそろばん、背負子などの農具がそのまま置いてある。
100年以上風雪に耐えてきた古民家の息遣いを感じるようだ。

スキー三昧の3日間だったが、今年もまた丹後の味と歴史と人に触れ、新たな魅力を発見できた。今年は、何度も訪ねそうな予感がする。
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by dodo-55 | 2011-02-18 13:57 | 京丹後

南アフリカの野菜「プッチーナ」を食べてみた

八百屋さんでおもしろい野菜を見つけた。
葉だけがパック詰めされたそれをハーブの一種かと思い、横に貼ってあったチラシを見ていると、店のおばちゃんが「それ、もう1つで終わりやし、買うといて。プチプチして美味しいで」と勧める。
初めて見るその野菜の名はプッチーナ
チラシには「プチプチ食感の新野菜」「原産は南アフリカ」「ほんのり塩味。豊富なミネラル成分」とある。「生でも、茹でても、炒めても、揚げても美味しい」の言葉に購入決定。チラシも一緒にもらって帰った。


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葉や茎が水に濡れたようにキラキラしている。
さっそく生で一口パクリ。ん? はっきりとした塩味は感じない。クセもなく、プチプチというよりシャキシャキとした食感。
晩ご飯に、牛肉とエリンギと一緒に炒め、軽く塩コショウしてみた。炒めても、ホウレンソウのように葉がクタッとせず、シャキシャキ感はそのままなので、食べ応えがある。
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次の日の朝ご飯のとき、納豆に混ぜてみた。手であらくちぎって混ぜるだけ。納豆のねばりとプッチーナのシャキシャキ感がからみあって、なかなかいける。ご飯にかけてもいいが、副菜の一品としても十分なボリュームだ。
チラシによると、佐賀県の農家が無農薬で水耕栽培しているらしい。
旬はあるのかな? 今度見つけたら、茹でたり揚げたりして食べてみたい。
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by dodo-55 | 2011-02-09 17:46 | 食べ物飲み物

つくろいもの

息子が持ち帰った給食エプロンの袋に、「エプロンの補修をお願いします」というお知らせの紙が入っていた。ボタンが取れかけている部分が一ヵ所。帽子のゴムも付け替え用が添えられていた。
給食エプロンはクラスのPTA委員さんがチェックしたあと、各家庭で補修をすることになっている。
月曜には持っていくので、土日の間にやらなければならない。ついでに他の繕いものも片付けてしまおうと、部屋の隅に積み上げてあった、穴あき、ゴムのび、すり切れズボン一式をどっさりと運ぶ。

それにしても、どうしてこう次から次へとズボンのひざに穴が空くのか。
少々のすり切れは、見て見ぬふり。ぱっくり口が開いたらタンスにしまわず、繕いもの置き場へ。
見つけたときに直せばいいのだが、明日やろう、週末にやろう…と思っているうちに、どんどんたまっていく。ボタンのとれたシャツ、穴の開いた靴下、ひざが見えるズボン、ゴムの伸びたパンツ…。
縫いものがきらいなわけじゃない。針と糸の時間は大好きだ。
お針子用具はいつでも使えるように机の上にセットしてある。
以前はもっと、ちゃっちゃと片付けてしまっていたはずなのに…。

繕いものを後回しにするようになったのは、携帯やパソコンのせいかもしれない。
メールのチェックや返信、ブログの更新などを毎日ちょこまかやっている時間が、繕いものの時間を奪ってしまっているような気がする。
無意識のうちに、日々結構な時間をそれに費やしているようで、気づけば「もうこんな時間!」ということもよくある。
昔はパソコンや携帯を使うことはなかったし、その分本を読んだり、繕いものをしたりしていたはずだ。
便利になって時間的余裕ができたようでいて、無駄に時間を使っているだけなのかもしれない。
読書や縫い物は時間はかかるが、その時間にやっただけの結果が見える。前に進んだという手応えがあるのがいい。

まぁ、今どき穴をかがったり、膝あてをしてまで衣類を着続けることもないのかもしれないが。
そんなことを考えつつ、チクチクと縫い針を進める。
目の前には、お気に入りのちりめんの針山を置いて。d0182852_21134840.jpg
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by dodo-55 | 2011-02-07 11:38 | 家事・家仕事