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食育ではなく食楽を

左京区のある保育園で食育講座を担当させていただいた。
今参加している、京都市の「食育指導員養成講座」の実践編として、市内の保育園や保健センターなどで食育活動のお手伝いを実際に体験するためのものだ。

私が担当した保育園では、園内の畑で保育士と園児が野菜や原木シイタケの栽培をしている。事前の打合せで、子どもたちが京野菜についてはほとんど知らないこと、シイタケは給食ではあまり人気がないことから、「京野菜とシイタケの栄養についてお話をしてください」と依頼されていた。

お話する対象は5・6歳児35名。時間は30分。
「みんなはお野菜好きですか? どんなお野菜知ってるかな~。知ってるお野菜の名前を教えてください」と言って、野菜の名前を挙げてもらい、用意してきた野菜の絵を机に次々と張っていく。
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野菜の絵の色塗りは息子も手伝ってくれた。
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ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、サトイモ、ゴボウは、家にあった現物を持って行った。
ほぼ出尽くしたところで、「いろんな野菜があるけれど、京都にはこれとはちょっと色や形や大きさのちがう『京やさい』というのがあって、昔から京都で作られてきました」と説明し、今度は実物大の京野菜アートを「これ、見たことあるかな~?」などと言いながら一つ一つ並べる。
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これは、ライター仲間の江角悠子さんのご主人・平尾ケイゴさんの作品をお借りした。平尾さんはダンボールアート作家。ダンボールの骨組みに和紙を張って、本物そっくりの京野菜を見事に表現している。
それぞれの野菜の特徴や名前の由来を簡単に説明したあと、三択クイズを出して子どもたちに答えてもらう。
例えば、「聖護院カブラを薄く薄く切って漬けた、京都の有名なお漬物の名前はなんでしょう?」
「①十枚漬け ②百枚漬け ③千枚漬け」。答は、紙に1枚ずつそれぞれ、10、100、1000と書いたものを見せながら、手を上げてもらう。子どもたちは、正しい答を知らないから、ほとんど勘。

ゴボウをポキリと折って、「普通のゴボウは中身がこうなっています。では、堀川ゴボウを切ると、切り口はどうなっているでしょう?」
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「①ふつうのゴボウみたいにいっぱい詰まっているかな?」
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「②中はスカスカしていて、穴が空いているかな?」
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「③それとも、ドラえもんの顔のような模様になってるかな?」
と、こんな感じで子どもたちと一緒に遊んだ。

聖護院カブ、賀茂ナス、九条ネギなどのいわゆる「京の伝統野菜」については、私自身何となく知ってはいたが、食べる機会も少ないし、栽培したこともない。シイタケの栽培ついては、全く知らない。これでは話もできないと、シイタケは三重県のモクモクファームで、京野菜については、北区の森田農園の森田さんにお話をうかがい、夏ごろから情報を集めてきた。

京野菜の旬は夏か冬のものが多い。今の時期は旬とははずれていて、現物は手に入りにくい。本来なら、京ニンジンと西洋ニンジン、カブと聖護院カブなど、ふだん目にする野菜と京野菜の実物を見せて、触ったり、匂いをかいだり、食べたりしながらその違いを感じてもらうのがいいのだけれど、それは難しい。おまけに、衛生上の理由で、持ち込んだ食材の試食も園では禁止されているらしい。

京野菜は京都の歴史や文化、気候と関わりがある。とはいえ、話す相手は5~6歳児。難しい話は通じない。結局、苦肉の策で、今回の絵と立体アートを使ったクイズ形式になったのだ。
それでも前日の夜、小学生の息子相手に模擬講座をやってみたが、いろいろ指摘された。
「『農家』って言葉がわからへんのとちゃう?」「そうか…。じゃぁ、『お百姓さん』は?」
「よけい、わからんわ!」「ほな、何て言うたらええの?」
「『畑やってる人』で、ええんちゃう?」
そのほか、「明治時代」は「むかし」に、「都」は「人がいっぱい住んでいるところ」に、変えることにした。

堀川ゴボウのクイズのときには、「③の『ドラえもんの顔』をいったん正解にしたら、子どもたちはびっくりするんとちゃう?」という息子のアドバイス。
その通りやってみたら、言うとおりになり面白かった。ドラえもんに手を上げた子は誰もいなかったから、「正解はコレ(ドラえもん)です」と言うと、「えっ~!!うそ~!」と大騒ぎ。「ではなくて、本当はコレ(中に空洞)です」と言い直したら、やっぱり~という顔。

それにしても、野菜の名前を答えるとき「ぶたにく」と言う子がいたり、全員がサトイモを知らなかったり、意外な反応があり勉強になった。
海老イモと比べるためにサトイモ(現物)を見せたのだが、「……??」「ニンニク?」「ショウガ?」という反応。「給食で出ませんか?」と先生に聞くと、「筑前煮などに使ってます。みんな食べたことあるやろ~」。先生の話では、「たぶん皮のついた状態を見たことがないのでしょう」とのこと。だから、皮をむくときヌルヌルして手が痒くなるということも知らないはず。「おじいちゃん、おばぁちゃんと暮らしている子は3人ほどしかいないし、母親世代は皮をむいて洗ってある小芋を買っている人がほとんどかもしれません」と先生。
こんな会話ひとつからでも、子どもを取り巻く食環境の現実が見えてくる。

翌日、保育園からメールがきた。
「楽しくお話してくださったので、子どもたちもリラックスした状態で、楽しく話を聞けました。子どもたちは、『鹿ケ谷カボチャと賀茂ナスは知ってたけど、ほかは知らなかった。』『今度、お母さんと一緒にスーパーに行って見てみる』と楽しく学んだことを話していました」。
うれしかったのは、「子どもたちが学んだことを忘れてほしくないので、今週の給食の献立で、金時ニンジンを使ったキンピラを出すことにしました」と書いてあったこと。
たとえ子どもたちが「おいしくない」と感じたとしても、金時(京)ニンジンがどんな味なのかを体感してくれたら、それでいい。
「坂田金時っていうお侍さんの顔が赤かったから、赤いニンジンを金時ニンジンって言うようになったんやって」と、覚えてくれているかな?
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by dodo-55 | 2011-10-20 14:56 | 食育

うんうん。そうそう。空気を共有できたカフェ雑談。

大好きな随筆家・山本ふみこさんのブログで知った『カフェ雑談~くらしをしあわせにするデザイン~』に行ってきた。これは、「KOBEデザインの日 記念イベント」のひとつで、ふみこさんをはじめ、石村由紀子さん(「くるみの木」「秋篠の森」オーナー)、藤本智士さん(クリエイティブエディター、「Re:s(りす)」編集長)、方原伸幸さん(NOBU'S インテリアデザイナー)、増田喜昭さん(子どもの本専門店「メリーゴーランド」店主)によるトークイベント。

「外もたのしいけれど、家(うち)の面白さもなかなかのもの」と言うふみこさんの、目線や暮らし方に共感している私は、本人に会いたい一心で新長田まで出かけて行ったのだけれど、思っていた以上に素敵な時間を共有できて、幸せいっぱいな夜となった。

会場は壇上がカフェになっていて、ゲストは飲み物をオーダーして、小さな丸いテーブルに2人ずつ座っての文字通り“雑談”スタイル。それぞれが、割と勝手にしゃべるという感じで、そこに私たちもいつの間にか仲間入りしているような空気になり、ゲストの一言一句に「そうそう」「うんうん」と思わず相槌をうちながら、聞き入ってしまった。

6時半からのイベントだったので、お腹ぺこぺこで参加したが、ゲストのトークでお腹いっぱいになった。
ゲストのおしゃべりから拾った、栄養たっぷりの言葉。

・経験が時間をよんでくれる
・生活している私たちこそが、デザインをしている
・偶然を偶然と思わない
・楽しいのはマイナスのおかげ
・日本の文化に都会はない
・ネットで調べても出てこないような、でも絶対に会わなければいけない人に出会える旅
・決めない。想定外のことが起こったときに、どれだけやるかがプロフェッショナル
・子どもたちは余白に慣れていない。子どもたちには余白が50%は必要
・主婦はヘッドになれる
・自分というものをしっかり持っている人は、どこでもヘッドになれる
・好きなようにできるのが、一番心地よいスタイル
・今の商品は完成品が多すぎる。完成品は買ったときが一番いいが、すぐに飽きる。
・「何かわからんけど、買ってやろうかな」と思わせる商品
・「効率」という言葉がだめ
・自分の好き嫌い、価値観、アイデンティティーがない人が増えている
・「ぼく、これ嫌い」と子どもが言える教育を
・×(ペケ)出しできる友人を持つこと
・見続ける、感じ続けることが大切
・「何をやってもいいぞ。金はない」
・お金がないことが、アイディアを産む
・順風でない美しさ
・適応力はデザイン力
・「自分の思惑とはちがうことがあるときに、おもしろがる気持ち」が柔軟性
・責任をとれる楽しさ、任される楽しさ。よくも悪くも自分に返ってくる

日々、迷ったり、悩んだりすることも多いけれど、これでえぇんや。もっと、もっと続けていけば、きっと何かが生まれたり、形になったり、見えたりするのだろうな…と思えた夜。

そして、「自分が『つかまえたな』と思ったことは、次の日に言ってみる。言うことで、わかるし変われる」というふみこさんの言葉通り、今日、とにかくブログに書いてみた。(そんな余裕はあんまりないのだけど。まず、これをやってしまわないと…という思いが強くて)

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 先日、お隣からいただいた長崎・福砂屋のカステラ。最近は一人分ずつのサイズに切った、こんなかわいい箱入りのものがあるらしい。箱は水色、ピンク、レモン色などのパステルカラー。
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箱の真ん中あたりをペリペリペリと開けると、紙に包まれたカステラ2切れと、折りたたみ式のフォークが出てきた!
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by dodo-55 | 2011-10-14 11:47 |