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鬼が来た!

 今年の節分は暖かかった。おまけに日曜日と重なり、節分行事の行われる京都市内の社寺は、たくさんの人でにぎわっていたようだ。

 来月、小学校の卒業式を迎える息子にとっては、今はもう節分と聞いても、巻き寿司と豆まきが楽しいイベントの一つとなっているが、保育園時代は1年で一番大変な日だった。
 吉田神社の近くにあった保育園では、節分の日に吉田神社から鬼たちがやってくる。その鬼たちを退治するために、1歳児から6歳児まで各クラスで対策を考え、“その日”を迎えるのだ。
 鬼たちの正体は、保育士の先生1名と保護者が4名。保護者には子どたちに内緒で事前に「鬼募集」の連絡があり、希望者を募る。息子が年長組のとき、同じクラスのお母さんと二人、「今年が最後やし、やろか」と名乗りをあげた。看護士であるそのお母さんKさんも私も、午前中の仕事を半休しての参加だった。

 先生鬼とお父さん鬼2人、お母さん鬼2人は、それぞれ色違いの鬼の衣装を身につけ、怖い面をかぶり、鬼になりきる。私とKさんは、膨らませた風船を胸に入れ、ナイスバディな女鬼に。お腹にタオルを巻いた黄色鬼のお父さんは迫力があり、ほんまに怖い!!
 3歳児までのクラスは、ガラス張りの外から子どもたちをおどかすだけで、部屋の中には入らないこと。大きい子のクラスは部屋まで入って、「手加減せず、徹底的に暴れてください」と保育士の先生から説明を受ける。「ただし、器物破損までは…。何年か前、ガラスを割ってしまった方がおられたので…」という先生の言葉を聞いて、笑いながらも気合が入る。

 子どもたちには正体がばれないように、保育園の裏口から入り、職員用ロッカーで着替え、給食室の裏に集合後、記念撮影。
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 それぞれ手に一升瓶や金棒を持ち、雄叫びをあげながら、正門から入っていく。ガラス越しに見ていた子どもたちが騒ぎ出す。「来たぁ~。鬼、来た~」。すでに泣いている女の子も。小さいクラスはほぼ全員大泣き。それでも先生と一緒に、新聞紙を丸めて作った豆を投げ、応戦。鬼たちは乗り出すように怖がらせながら、しばらくしたら豆にあたったふりをして、退散。

 いよいよ、大きい子のクラスへ。子どもたちが怖がるようすや泣く顔を見ていると、ギアが入る。うぉ~と低い声で叫びながら、金棒ふりまわし部屋へ突入。顔につけている鬼の面は、目の部分だけが開いているので、子どもたちにはバレずに、こちらからはよく見える。「鬼なんて全然怖ないで」と家で豪語していた息子のこわばった顔。さすがに泣いてはいないが、顔がひきっている。女の子はほぼ全員泣いている。
 
年長クラスの鬼退治作戦は、鬼の好きなお酒を机に置いておき、鬼がそれを飲んでいる間に、天井につるしたバケツから豆を落とすというもの。ひとしきり暴れたあと、机の上の「鬼ころし」のパックからお酒をカップに注ぐふりをして、がぶがぶ飲む(ふり)。しばらくして、座り込みこっくり、こっくり、寝てしまう(ふり)。
 「あ~。鬼寝た~。寝てるで~。今や~」と子どもたち。天井から豆(新聞紙の)が落ちてきて、「痛い、痛い~」と退散。

 鬼になりきっているうちに暴れることが気持ちよくなり、マラソンハイならぬ、鬼ハイ(?)のような状態に。ちょっとのつもりが、激しくなり、これって何か危ない…と自分でも思いつつ、鬼役を楽しんだ。ちなみに、Kさんは暴れすぎて、子どもたちが盾にしていたロッカーを乗り越えて突入した勢いで、胸の風船が片方割れてしまい、一時退散。先生に丸めた新聞紙を胸に入れてもらい、応急処置してもらっていた。
 全員退散後、控室でその日の給食のイワシと巻き寿司をごちそうになりながら、鬼たちは口をそろえて、「快感!」。ほんとに一度やったら、やめられない。

 家に帰ってきた息子は、鬼がお酒を飲んで寝てしまったこと、ロッカーを乗り越えて鬼が入ってきたこと、怖かったけど頑張ったことなど、話してくれた。「あれは、母ちゃんやったんやで」というのは、絶対に言わないようにと保育園で言われていたので、私は黙っていたけれど。

 毎年、毎年、節分の日は子どもたちは本当に怖かったようで、小学校に入学したとき息子が「母ちゃん。小学校には鬼来いひん?」と聞いたのが何よりの証拠。
 あぁ、でもあの快感は、忘れられない。節分が来ると、鬼がしたくなる。保育園で「OB保護者の鬼募集」ないかな~。
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by dodo-55 | 2013-02-06 11:44 | 京都