タグ:京都 ( 6 ) タグの人気記事

「店の裏は海」。居酒屋伏見。(続き)

 居酒屋伏見には、鯖寿司もある。カウンターの一角に何本も並べてある。
 京都には有名な鯖寿司の店もあるが、わが家では母がお祭のときなどに手作りするので、わざわざ売っているのを買うことはない。でも久しぶりに鯖寿司が食べたい。「伏見」の鯖寿司は1本売りだが、みんなで1キレずつ分ければいいかな。…ということで、残ったら私が引き取ることにして、鯖寿司を頼む。
 おばちゃんが、また私たちの前に立って「あこうは食べた?」と聞く。その時すでに手に注文書を持っている(書く気まんまん)。
 「あこう?」
 「アコウ鯛。夏の魚の女王やで」
 「でも、さっきヒラメの刺身食べたしなぁ…」
 「おいしいし、食べとき」
 有無を言わさず、注文書に書く。「アコウひと~つ」。注文が通る。
 まぁ、いいか。伊勢えびとはちがうし。(伊勢えびは高い。その日も「時価」としか書いてなかった)

 しばらくすると、赤いきれいな鯛の姿造りが出てきた。「あとで、骨は味噌汁にできるしな~」とおばちゃん。
 それは、ちょうどいい。最後のしめに鯖寿司と一緒にいただくとしよう。
 それにしても、ほんとにどれもおいしい。ほとんど魚メニューだが、刺身はもちろん、煮物も、揚げ物も。やっぱり、「店の裏は海」にちがいない。厨房の奥では波の音が聞こえる はず…。

 もうほとんどお腹いっぱいだが、あと少しなんか食べたいな~。メニューを見る。「ウニの天ぷら」を注文。出てきたのは、一口大のウニを海苔で巻いて揚げたもの。お皿の上にちょこちょこっと並んでいる。かわいい~。「うちにも、かわいいメニューあるんやで」とおばちゃん。ドッカン、ドッカンと盛り上げた、荒っぽい(?)メニューだけじゃないのだ。
 最後に鯖寿司とあこうのアラの味噌汁をいただく。味噌汁は鯛のだしが出て、うまうま~。ちょうど、しめを食べているタイミングで、バイト君たちが「漬物いかがですか~」と、ナスと胡瓜のぬか漬けの皿盛りを両手にカウンター内を回る。色といい、盛り方といい、和食コースのしめに出てくる上品に盛り付けられた浅漬けではなく、家で食べる「どぼ漬け」という感じ。安いし、量も多いけど、もう食べられません。

 結局、ビールも2~3杯は飲んだと思うのだが、お腹いっぱい食べて一人3500円だった。店を出たのが6時半。まだ外は、ぎんぎんに明るい。
[PR]
by dodo-55 | 2013-08-13 16:40 | お気に入り

「店の裏は海」。居酒屋伏見。

 15~16年ぶりに伏見に行ってきた。京阪三条駅近くの大衆居酒屋「伏見」である。
 同行者は女性カメラマン3人。私以外の3人は、「伏見」へ行くのは今回が初めてだったが、「店の裏が海 (=魚が新鮮で安くて旨い)」、「店のおばちゃんが強烈」というウワサは聞いているようであった。
 カウンターだけの小さな人気店で、予約は不可。なので、開店の10分前に店前で待ち合わせた。私が到着したときには、母娘らしい2人連れがすでに店前で待っていた。小雨が降っていたので、開店前にのれんを出した女将が、「雨降ってるし、中で待ってて」と母娘を中へ招き入れた。そのあと、夫婦連れが早々と店へ。結局、私たち4人がそろって中へ入ると、コの字型のカウンターの一列はすでに埋まってしまった。時間は夕方の5時。外はまだギンギンに明るい。

 カウンター席にきっちきちに詰めて座り(隣の人と肘が擦れるぐらい)、生ビールを4つ注文。8つの目は手書きのメニューに釘づけ。ほとんどが魚のメニュー。どれにする~? アレもおいしそう。これも食べたい~と、迷っているうちに、注文したビールが目の前に置かれたのにも気づかなかった。
 「とりあえず、乾杯!」。しめ鯖、ヒラメの刺身、ハモの白子、ズイキのくず煮などを注文する。
 コの字型のカウンター内の狭いスペースを女将のおばちゃんと、バイトらしき若い男性が2人、注文をきいたり、生ビールを入れたり、お皿を運んだり、せわしなく動きまわる。
 「ここ、痩せてないと、働けないね」。旨い魚をつつきながら、つぶやく。実際、女将もバイト君もかなりスリムだ。店奥は厨房で(ここも広くはなさそう)、窓のようなところから、注文の通った料理が次々出てくる。

 「伏見」初体験の3人には、店に入る前に2つ忠告しておいた。
 ①店の中ではけっして「伊勢えび」という言葉を発しないこと。(たとえ、小声でも)
 ②最初のうちに「野菜天」をけっして注文しないこと。
 これは、私の過去の体験からの忠告だ。
 
 メニューのなかに、この2つは必ずある。でも、「あ、伊勢えびもあるんや~」とか、「伊勢えびか~。でも高いからやめとこ」などとつぶやこうもんなら、「はい、ここ。伊勢えびひと~つ!」とおばちゃんが大きな声で厨房に注文を通す。「えぇっ!頼んでない。頼んでない」と否定しても無理。しばらくしたら、デデ~ンとイキのいい伊勢えびの刺身が目の前に。「頼んでないって~」といくら言っても、もう遅い。「おいしいでぇ。めっちゃ新鮮やし。食べ食べ」と、おばちゃん。まさか、サービス?なわけはない。きっちり、伝票に付けられている。
 あきらめて、食べるとホンマにおいしい。クリックりッで甘くて。うま~。「やろ?おいしいやろ?あとで、この殻で味噌汁もできるしな」と、おばちゃんの勝ち誇った顔。そして、あとで出てくる伊勢えびの味噌汁が、また旨い! だしが出て、ほんまに旨い。なので、怒る気がしない。

 …という話を3人にはしてあるので、メニューを見ても3人とも目配せで「例のアレ、あるね」とニヤニヤ確認だけはする。禁句の4文字は決して口にしない。
 そうこうするうちにも、どんどん人が入ってきて、あっと言う間に、満席に。まだ、6時前。
 おばちゃんが、私たちの前に来た。「次、何食べる~? 野菜天は食べた?」と注文票を手に聞いてくる。
 アカン、アカン。私たち4人は目で合図。 実を言うと私は食べたい。野菜天が大好きだから。でも、以前失敗しているので、頼めない。見透かしたようにおばちゃんが言う。「4人いるから、大丈夫やって」。

 その後、カウンターに置かれた野菜天を見て、女子3人が驚く。「これで、300円?」。イモ~、ナス~、レンコン~、シシトウ~と、デン、デン、デデンと積み上げられた野菜天の高さは10cm以上ある。それを上から一人一つ、また一つと取りながら食べていく。4人で2周はしたか? この量だから、2人で来たときに最初に注文してしまうと、ほかのものが食べられないのだ。

 無事、野菜天を食べ終え、数人の客が帰り始めたが、まだ6時すぎ。
 入店して約1時間。すでにお腹がふくれてきた。 (続く)
[PR]
by dodo-55 | 2013-06-18 10:20 | お気に入り

年の瀬

年内最後になるであろう仕事で、雑貨店に取材に行った。
商品を撮影していると、店の前を黄色いランシュックを背負った小学生が3人、はしゃぎながら帰っていく。「明日から冬休みやから、テンション高いんでしょうね…」。カメラマンさんもお店の人も、思わず外を見つめる。その横をジャージ姿の高校生らしき一団が、タッタッタッと走り抜ける。「あぁ、明後日は、高校駅伝でしたね」「ここもコースになってるんですけど、お向かいのデザイン会社さんは、駅伝のとき沿道の人たちにおぜんざいを振舞われるんですよ」「へぇ~。そうなんですか」

店内や外観を撮影するとき、「すみません。クリスマスっぽい飾りは、いったんはずしていただけますか」とお願いしなければならない。そう言ってみて初めて、もうそんな季節なんだ…とあらためて気づく。
10月以降、何だかんだとバタバタ過ぎていき、気がつけば、郵便ポストの投函口にには「年賀状」の文字が…。今年のデザインは浮かんでいたが、印刷したのはつい2~3日前だし、宛名書きまで手が回らない。

取材の帰り道、「昨日は終い弘法で、すごい人出でした」とカメラマンさん。彼女は東寺の近くに住んでいるのだ。「そういえば、明後日の終い天神は日曜日で、しかも高校駅伝と重なってますよね。道は大丈夫なんやろか…」「その日は取材は入ってないし、よかった。車が動きませんもん」

冬休みやクリスマスやお正月やお年玉や、楽しいことばかりが続く小学生。
あれもこれも、年内に仕上げとかなあかん…と気ぜわしい私。
今年も、あと1週間。
[PR]
by dodo-55 | 2011-12-22 21:02 | 仕事で

『地産地消の仕事人に学ぶ・現地検討会』(奈良県・明日香村)2日目

2日目は朝からバスに乗り込み、當麻の家あすか夢販売所ゆめ明日香明日香の夢市などの直売所を見学。
各直売所には、地産のいちご・あすかルビーや古代米、野菜に、味噌、漬物、菓子など地元ならではの加工品が並ぶ。商品を見ただけではわからない、直売所ごとの工夫や苦労話を担当者から聞いた。

「あすか夢販売所」の販売額1位はイチゴ、2位は仏花、3位は切花だそうだ。1位はわかるが、2位と3位が意外。「明日香の夢市」でも仏花のビシャコ(正式名はヒサカキというらしい)が販売されていたが、京都では仏花といえばビシャコに小菊など花を組んだもので、ビシャコを単独で販売してるのは見かけない。
京都では仏花は昔から白川女などが大八車に積んで振り売りしてきたが、今では生花店やスーパーでも売っている。
私は生花店に勤務していたことがあり、仏花を組んだこともあるのでビシャコを知っていたが、普通は榊(サカキ)は知っていてもビシャコの名前は知らない人がほとんどだ。
京都でも仏壇のある家が減り、仏花の販売数も減っているのだが、明日香でよく売れているのは、これいかに? 奈良だけに仏教の影響が強いのか?

最後に、明日香の夢市で飛鳥鍋御膳をいただき、解散となった。
d0182852_218665.jpg

飛鳥鍋は、牛乳と鶏がらスープで冬野菜と鶏肉を煮込んだ鍋。
牛乳臭さもなく、白いスープに生姜を入れると、ピリリと味がひきしまり、体も温まって寒い季節にはちょうど良い。家でもぜひ試したい味だ。
d0182852_21134784.jpg

おみやげには、直売所であれもこれも欲しくなるのを我慢して、地元ならではのものを。
いちごはあすかルビー、土竜芋という名のヤマトイモ、古代米の赤米と三輪そうめんのふしめん、小麦餅を購入。

小麦餅は、もち米に小麦を入れてついた餅にきな粉をまぶしたもの。農家の人たちが田植えが終わったあとに食べるおやつだそう。小麦のプチプチした食感と香ばしさのある、素朴で美味しいお餅だ。

「ふしめん」は、そうめんの製造過程で麺を干したときにできる、一番力のかかる上下の部分で、太くて形もいろいろ。たぶん通常の流通では出回らないものだろう。京都の「とゆ湯葉」と同じようなもの。お吸い物の具にしたり、油で揚げてビールのつまみなどにもいけそう。

赤米は、来月の節分に、紅白のご飯で巻寿司を作るつもり。これも直売所に貼ってあったポスターからアイデアをいただいた。
地元ならではの食材で、普段の食卓にちょっと変化をつけるのが楽しい。その食材の製造過程や地域の歴史や文化なども知れて、食卓での話題も広がるから。

食・農・環境などに興味があり、仕事でも関わっている私にとっては、とても有意義で楽しい2日間だった。2月にモクモクファームで開催される食育フォーラムも楽しみだ。
[PR]
by dodo-55 | 2011-01-24 21:56 | 仕事で

雪の朝のひとコマ

大晦日以来、再び雪が積もった日の朝。
遠くから「お~~」の声が聞こえたので、母と妹、甥っ子があわてて外へ。
甥っ子は靴を履くのももどかしく、母のつっかけで雪の上。
托鉢にまわってきた大徳寺のお坊さんに、小布施を渡すためだ。
一人目はすでに家の前を通り過ぎていたのを、わざわざ呼び止めて戻ってきてもらったらしい。
d0182852_20563997.jpg

甥っ子は小さな手に小銭を握り締めて、二人目、三人目が来るのを待っている。
かつては私たち姉妹も、そしてつい最近までは私の息子も、「お~~」の声が聞こえたら、こうして外で待っていたものだ。
d0182852_205981.jpg

わが家の前は、たいてい8時を過ぎてから通られるので、息子が学校に行くようになってからはこんな風景も見られなくなった。
そういえば、いつだったか、自転車で保育園へ行く途中でお坊さんを見つけた息子が「どうしても渡す」と言い張り、自転車の上から小銭を渡したこともあったっけ…。
修行とはいえ、何もこんな日に…と思うほど雪の積もった中を行く、裸足でわら草履のお坊さんの足は「雪があたって赤うなってた…」と妹。どのぐらいの距離を行かれるのだろうか。
[PR]
by dodo-55 | 2011-01-19 21:11 | 京都

冬の風物詩

d0182852_9253274.jpg

農園へ向かう途中、上賀茂で野菜の振り売りを見かけた。
大根、カブラ、ネギや葉ものが積まれている。今年は暖かい日が多いが、売られている野菜を見れば、「12月やなぁ」と実感する。
うちへ来るおばちゃん(なかちゃん)も、昔はこのような大八車を引いてきていたが、今は軽トラだ。
大八車はよく見れば結構長い。これを女性一人で引いて、町に売りに行くのだから力が要るだろう。
大八車は江戸時代初期から使われ、その名の由来は、八人分の働きをするから、古来車の多かった滋賀県大津の八町の名から、車台の長さが八尺(約2.4m)あるからなど諸説あるそうだ。(『絵引・民具の事典』/河出書房新社より)

以前、92歳まで大八車で花売りを続けた白川女の女性を取材したことがある。花売り稼業70余年を共にした車は、引退したあとも家の倉庫に大切にしまわれていた。おそらく、毎日手入れして、何度も修理したりタイヤを替えながら、大事に大事に使われていたのだろう。

野菜を売っていたこのおばちゃんと大八車はあと、何年見ることができるだろうか。
[PR]
by dodo-55 | 2010-12-14 09:49 | 京都