年末年始の2週間は、普段とは違う買物、準備、後片付けなどに追われ、大人には慌しく過ぎていくものだが、子どもにとってはその気忙しさもまた、ワクワク感を伴うものなのかもしれない。
思い返せば私も子どものころ、年末の餅つきや大掃除、錦市場へのおせちの買出しなど、大人たちが忙しく立ち働くのを、お手伝いするのが妙にうれしかった記憶がある。 餅つきは臼から機械になり、おせち料理の種類と数も年々減りつつある。そして今年はとうとう錦市場への買出しもやめてしまった。 昔は、錦市場でしか手に入らない食材が多く、年末になると必ず決まった店で決まったものを買っていたのだが、最近では近くの商店街やスーパーでも買えるようになったからだ。 お正月にはみんなで楽しんだ、かるたや羽根つき、凧揚げなどもしなくなって久しい。 お正月の準備や楽しみでなくなってしまったものがある一方、この10年で新しく増えたお楽しみもある。 わが家のおせち料理は、昔ながらの煮炊きした定番ものが徐々に減り、肉料理やサラダなど洋風のメニューも定着してきた。その代表が、ユッケとローストビーフ。 毎年、大晦日に肉を買いに行き、元旦の朝にオーブンで焼くのは父の役目だった。 もともとは、肉好きの父がやり始めたのだが、父亡き昨年は母が焼き、今年は私が初挑戦した。 ロースとビーフは、生肉をたたいたユッケとともに、元旦の夜の食卓に並び、集まった親戚とともに賑やかに食される。 そして、その晩餐のあとの恒例となっているのが、お楽しみ抽選会。 これも10年ほど前に父が始めたのだが、ちょっとした景品を用意しておき、参加者にもれなくプレゼントするというもの。父が用意した景品を袋に詰めたり、くじを作ったりを手伝っていた息子が、父亡きあとも「やりたい」と言うので、昨年からは私と息子で準備している。 父は毎年、チーズやおかきを景品にしていたが、代の代わった昨年は、箸置きと「懐かしのお菓子」を組み合わせた。 どれも本物みたいでおいしそうだが、ずべて箸置き。 懐かしのお菓子シリーズは、カレーせん、フィンガーチョコ、うぐいすボーロ、チャオ、カンロあめなどを用意。かわいいキャンディーも1本ずつ付けた。 そして今年は、「おつまみ」シリーズ。 業務用スーパーのおつまみコーナーで、いか天、ドライ納豆、おつまみナッツ、するめ、茎わかめ、黒糖バナナチップス、ココアピーなど、辛いの甘いの取り混ぜてそろえた。 それから、縁起物の七福神チョコと干支おかき。 干支おかきは、袋におみくじ付きだったので、盛り上がった。 どちらも大袋にたっぷり入っていたのを、均等に分け、袋詰めしてくれたのが息子。 手間の要る作業をうれしそうにやっていた。こんなお手伝いもここ何年かの恒例になっている。 年とともに、少しずつ変わりながらも残していきたい年末年始のひとコマである。
by dodo-55
| 2011-01-07 11:24
| 家事・家仕事
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